ガラスコーティングとは車体を保護するコーティングの一つであり、新車購入の際には当然のようにディーラーから提案されるオプションの一つとして認識されつつあります。ガラスコーティングのオプションを選ぶ方の話を聞くと、「メンテナンスがいらないから」という理由で選んでいる方も少なくありません。ですがこれは間違いです。ガラスコーティングを含めた多くのコーティングにおいて覚えておく必要があるのは、コーティングをしたからといってメンテナンスをせずに放置するのは間違いであるということです。正しくメンテナンスを行うことでこの効果は長く続き、長期間において愛車に乗り続けることができるのです。こちらでは、そもそもガラスコーティングとはどのようなものなのか、その耐久性や費用などはどうなのかを紹介していきます。
①ガラスコーティングとは
一般的な車のボディには塗装が施されていますが、外観を美しく見せるという以外にも、塗装には重要な役割があります。車は時には高速で走行するため、空気中の浮遊しているものがぶつかりダメージを受けます。塵や小石、時には虫などあらゆるものが車体には気づかないうちにあたっているのです。これらから車体を守るためには塗装は欠かせません。また、雨などの湿気によって表面が腐食してしまうことを防いだり、塩分などによる劣化から守るという役割もあります。しかしながら、それらの塗装も長期間車が使用されることで経年劣化が進み、塗装としての本来の機能は失われてきます。車の美観も失われるため、塗装の維持については車を維持する上で特に注意する必要があるのです。そこで塗装を長期間、質の良い状態で維持するために必要なのがガラスコーティングです。ガラスコーティングとは硬いガラス質の被膜で車体表面を覆うというコーティングですが、持続力も他のコーティングと比較して高く、汚れや傷が付きにくいということで、最近ではますます注目が高まっています。
②ガラスコーティングの効果
ガラスコーティングの効果に関しては、本来の塗装をコーティングを施すことで長期的に維持することにありますが、これだけであればいわゆる市販のワックスでも問題ありません。手間はかかるものの液体ワックスやスプレーワックスなどを使用したり、フッ素やシリコンなどのポリマー系樹脂仕様のコーテング剤系ワックスでもしっかりケアできます。ですが、やはり手間がかかることや持続力が物足りないということもあり、そうした背景からガラスコーティングが注目を集めることになっています。ガラス質の薄い被膜が車体を覆うことで保護効果が高められているのです。中には自分の手でガラスコーティングを行うという上級者もいますが、基本的には専門業者に依頼して施してもらうのがおすすめです。下地処理の工程を入念に行うため、施工にかかる日数も必要ですが、新車の場合などはこの工程も時間短縮が可能なため比較的早めに、かつ安価にて依頼することができます。丁寧に仕上げられたプロによるガラスコーティングは長いものなら１０年位持つものもあると言われています。ただ、その持続効果はアフターフォローをしっかり行っているか否かで全く異なります。車の保管方法や使用状況、走り方や場所などにも影響を受けるため、できる限りのメンテナンスは行っていく必要があります。さらに特徴としてガラスコーティングは水に強いという性質があります。錆の原因となる雨水、海水などに含まれる汚れはすぐにでも取り除く必要があります。汚れ自体をつきにくくする機能があるガラスコーティングは撥水性に非常に優れており、水分を弾く役割を果たします。一方で親水性にも優れており、付着してしまった汚れも水分を含ませて簡単に洗い流すことが可能なのです。しかしながら、このようなコーティングも決してメリットだけではありません。工程に時間がかかってしまうことから、車を常に使用しているという方の場合、業者に預けることも難しくなります。場合によっては４日から５日間くらい預ける必要も出てくるケースもあります。またコーティングの成分が安定するのに１週間以上要することもあるので計画的な施工が必要となります。また、質の良いコーティングともなればそれなりの費用も必要になります。思いがけない高額な費用のために断念する方も少なくありません。とはいえ、メリットの部分は非常に大きく、車にとっては大いに価値のあるコーティングであることは間違いないでしょう。
③ガラスコーティングの耐久性
強力なコーティングということで持続力が期待できるガラスコーティングですが、短いもので効果は１年、一般的には３年から５年位と言われています。先に述べたように、メンテナンス次第では１０年位持つものもあるなど長期的な保護効果が期待できます。できる限り効果を持続させるためにはメンテナンスが命となります。特に手洗いによる洗車は有効です。きれいな水をたっぷり使用して洗車を行いますが、その際も柔らかいスポンジやタオルなどを用いて、水分をたっぷり染み込ませた上で作業を行うようにします。仕上げの拭きあげも柔らかい生地の布で行えば問題ないでしょう。一般的な洗車機による洗車は、手間もかからず簡単に行うことができるものの、中にはブラシが硬いものもあり、激しいブラッシングにより被膜表面にダメージを追うこともあります。もちろん手洗いの際も強くブラシなどでこすると言った行為は避けるようにします。また、ワックスがけに関しても汚れ落としのためのコンパウンド入りは避けたほうが無難でしょう。コーティングの施工業者によってはワックスがけ自体を保証対象外としているところもあるので注意が必要です。強力なガラス質の被膜によるガラスコーティングですが、繊細な部分もあります。なるべく不必要な力がかからないようにお手入れを行うべきでしょう。水洗いに関しても必要のない洗剤などは使用せず、優しく洗っていくようにします。
④ガラスコーティングの費用
やや高額になりがちなガラスコーティングの費用ですが、車の形状、大きさ、種類により異なるため一概には言えません。保護効果も１年くらいのもので、軽自動車向けのものなら２万円程度からあります。３年から５年程度の保護効果で新車向けのものなら４万円程度から、車種に応じて金額は上がっていき、いわゆる大型ワンボックスタイプのものであれば１６万円前後になることもあります。業者によっても価格は異なるので、実際に依頼をする場合にはよく比較してみることをおすすめします。
⑤ガラスコーティングのまとめ
コーティングの保護被膜は強力ですが、ワックスのような保護剤とは異なるという点は知っておくことが重要です。車体の塗装を保護することに秀でているため、どちらかといえばツヤや質感を求めるという方に関してはワックスなどのお手入れが向いていると言えます。また、コーティングを施したからと言ってメンテナンスを怠るのはナンセンスです。大切な愛車を長く乗っていきたい、あるいは買い替えに備えて査定を落としたくない、そんな方はガラスコーティングは是非検討して見る勝ちがあるでしょう。その費用にあった十分な価値がガラスコーティングにはあります。ディーラーや施工業者ごとにサービスもことなるので、まずは詳しく調べてみるべきです。
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